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ご相談内容

未成仏霊接触問題 邪悪な彼女 F県ゴウさんの場合

F県在住のゴウさん(仮名・50代男性)は、地元でクリニックを開業されて十数年 「妻と子供3人の家族5人で穏やかに暮らしてきたんだが」と一呼吸おいて「それも昔の話で、何でこんな事になったのか?今夜も頭痛がひどくて思考が働かない」まずはそれを祓って欲しいと、具合悪そうなご様子でした。頭痛を強く訴えられるので、症状を取り除いてからお話を伺うことにしました。

ゴウさん一家は、近所からは理想的な家族だと、開業前から羨望を集めていたのです。
家族の信頼を背負って精力的に仕事に取り組んでいき 開業後のクリニックは繁盛していった。
ところが、3年ほど前からゴウさんの暮らしは一変した。自宅とクリニックは同じ敷地内にあるが、妻は一切クリニックに顔を出さなくなった。夫のゴウさんも帰宅せずクリニックの休憩室を居室にして暮らしていた。次第に、患者さんも減少していき、気づけば まさに八方塞。

原因がなければ結果もなく、極端な変事は起き得ないと申し上げると、納得されたかのようにゴウさんが語り始めた内容は、末の息子さんの進路問題で父親のゴウさんが三者懇談会へ行き待ち時間のあいだに保護者の方たちと歓談していたところ 「お宅の○○君とうちの息子が親しくさせてもらって..」と声をかけられ、母子家庭で父親がいないぶん苦労が多いと聞かされ気の毒に思い、名刺を渡した。「なにかお困りの事がありましたら、ご相談にのりますよ」と社交辞令でひとこと付け加えて。

たかが名刺一枚と忘れかけていたころ、相談にのって欲しいと電話が入った。「また 時間が空きましたら」と早々に切ったが、電話は定期的にきた。受付事務をしていた妻も訝しそうな目を向けるようになり、面倒になったゴウさんは自ら電話をして (一度だけ愚痴を聞いて済むなら) とカウンセリングの往診でもする気分で、指定されたラウンジへ向かった。

昼は喫茶店でも夜にはバーに変身する店の照明のせいか、初対面のときの印象とはガラリと変わり 母親というよりも“女”で《中学生の子がいるとは誰も思わないだろうなぁ》と呆気に取られていると、息子の級友の母・リエは「私もこう見えても40歳で..女手一つで男の子は難しくて、お言葉に甘えてしまってすみません」としおらしく、色香のある目と声で...ついついと遅くまで付き合うことになり、午前様帰宅のうえに「また会う」約束までさせられた。
30分のつもりが数時間となり、その間に地獄の門が開いたんだ!とゴウさんは悔いていた。
診察中であろうとお構いなしに携帯が鳴るようになった。惚れた訳でもないのに...家庭円満を望んでいるのに、呼び出されては密会を繰り返した。

クリニックで夫を支えていた妻は、内助の功を放棄するようになり、夫婦の会話は途絶えて、操られるようにリエと会い、自宅に帰るのも億劫になってクリニックで寝泊りするようになっていく。妻は責める言葉ひとつも発しないで、夫の行動を目で咎めていた。

気づいた時には、仲の良い模範的な家庭は 軸を失いバラバラになっていた...こんなに簡単に壊れるものなのか?と、自ら招いた事とはいえ非常なショックを受けて、もうどうでもいい!と自棄的になり、リエが望めば出かけて行くようになった。
季節がめぐり学会シーズンを迎え、ゴウさんはリエの要求を呑んで東京まで一泊二日で出かけた。男と女の一線を越えたのはこの時が初めて...妻への罪悪感もこの瞬間が初めてだったと。

東京から戻るとリエは呼び方を「先生」から「あなた」に変えて生活費が苦しいと訴えてくるようになった。すべてが面倒になっていたゴウさんは、先々の事を深く考えもせずリエに金銭的な援助をするようになっていく。所詮ハナから愛だの恋だのって話でもないしと無理のない程度で、パート代もわずかだと言うリエ母子の生活費を助けた。

愛人稼業に転向すると今度は「カルチャーセンターに通って自活できるようにスキルを磨く」と言い出した。ゴウさんは約束通り半年は援助するが利用されるのはゴメンだと言い渡す。
その後の半年間は、催促の電話もなく会うこともない...解放されたと解釈して、久々に友人と酒を飲みに出かけたりしていた。妻とも面識のある友人は、ゴウさんの家庭の噂を聞いていた。やつれたゴウさんを心配して気遣う言葉をかけてくれる。離婚になる前に家庭に戻ったほうがいい...「奥さんも望んでるよ。実は相談も受けてたんだ」と打ち明けてくれた。

妻や子の笑顔や食事時の賑やかな声が懐かしい!温かな家庭を取り戻したい ! 願いが叶うならとプライドも見栄も捨て、たびたび友人を誘って酒を飲むようになった。期限の半年も近づきリエの存在は脅威ではなくなっていた。学者バカの世間知らずできたゴウさんは、戻りたくてもどうして良いか分からない。友人に助言をすがるようになっていき、酒の席でそれを求めるようになった。長年の友は厭うことなく付き合ってくれる。

その頃から、ゴウさんの身に異変が起きはじめていく。

夜23時になると頭痛が始まりモヤモヤした気分になる。鎮痛剤を飲んでも効かない。最初は、 (今頃になってストレスが出たのか!) と医師らしい自己診断をして「医者の不養生とは言われたくない」と精密検査もしたが、異常はどこにも見当たらない。健康そのものという結果に却って不安を募らせた。それを払拭しようと酒の席を設け < 魔の23時 > は友人とグラス片手に学生時代の笑い話に花を咲かせていた。楽しくしていればストレスもないはずだ!と。

ところが期待に反して、旧友と談笑している時に、ソレはまた始まった。
(愉快な話しをしていて...俺はさっきまで腹の底から笑ってたじゃないか!どうなってるんだ?)...後頭部から痛みが走り、顔がこわばっているのが自分でも分かる。突然の事で友人は奇異な表情を浮かべながら声をかけてくる。「おいっ?どうしたんだよ!」。その一言を聞いた途端にフワッとリエの顔が浮かび、不安が押し寄せてきた。引き寄せられてる!!
...頭痛に苦しみながら本能の声が聴こえたと、ゴウさんは主張した。

避難場所を捜すように友人知人を誘ってカラオケボックスで騒いだり、慣れないクラブへも足を踏み入れたり、あらゆる手段を尽くしてみたが、時計の針が23時を指すと、頭痛は容赦なく襲ってきた。同時にリエの表情がよぎるようになり人恋しく淋しい気分になっていく...これは俺じゃない! 酔ったフリでごまかし帰ろうとした時にクラブのママから「もしかして誰かに念を送られてるの?」と言われたが、対処策は分からないとも言われ、1~2時間もすれば落ち着くからと帰宅。
原因の見当がついただけでも気分が楽になったとネット検索に熱心に取りかかった。今日も23時はくるのだからと一睡もしないで調べていたら朝になっていたと。


その夜、初めてご依頼のお電話を頂いたのです。
頭痛とモヤモヤ感を除いて 原因の詳細と今後の対策について具体的に教えてほしいとのことでした。そして、家族と出直したい...家族との絆を結び直すことは果たして可能なのか?と問われ、可能であれば有効的な手段も加えて教えてほしいと、切実な声が苦悩を物語っていました。妻の冷えた心の溶かし方が分からないともおっしゃり、藁をもすがる思いで(恥を忍んで)お電話をくださったとのことでした。ご職業柄もあり勇気が要ったと思います。

邪気祓いとエネルギーチャージに、縁切りと再縁結びには前世縁を視てから...念には念を入れて。好機を探るための未来透視も加え、ご希望に早く達せるよう、密教ならではの秘術の、あらゆる秘技を実践へと、鐘音の中、汗諾々の実践へと入りました。

ご依頼主のゴウさんは最初から 『 占いは必要ないから、霊的な実践の結果だけ欲しい 』 とおっしゃってらしたので、秘術の説明を簡単にして「エイーッ!」と、そのまま入らせて頂きました。「失敗の経験はありませんから リラックスしてください」と、飲料水のご用意だけ事前にしていただいて。

鑑定結果

密教系神仏の力を借りての邪気祓いで頭痛はほどなく治まった。時計の針は23時30分をわずかばかり越えた。ゴウさんを毎晩 悩ませた頭痛は完全に抜けて気力も取りもどしたが、結果は...やはり!で、頭痛の症状は、過敏に反応した部位に過ぎなかった。

「体中がポカポカして軽くなった」とゴウさんは喜んでくださり声にも張りが戻った。もしも、頭痛だけ治して!というご依頼で時間を急かされていたら、30分足らずの仕事でメデタク終了!というところだが。ゴウさんのご依頼は、対症療法的なものではなく、根治してなお心願成就までのオールで請けたまわっていた。自覚症状として激しく出た頭痛と気力低下を治しても...。
ともかく、「早くして」と急かされていたら見誤るケースだった。

急いてしまうと訴えのある痛みの除去に没頭し焦って時間との勝負が先行してしまう。依頼されたことは成功を収めるが、神仏から降ろされるメッセージこそが後々の“鍵”となるのに その重要な【取次】が行えなくなることも...稀ながら経験してきた。ゆえにゴウさんには、お祓い後にその旨も説明させていただき、運気奪還も含め ≪除霊&チャージ≫ を中心に秘技秘策の術すべてを、実践 実戦!! 「怖い者なしですから、安心してお任せください」と。

頭痛&メンタルのお祓い中に (自分のリズムでさせて頂けたお蔭か)、不穏な光景が...走馬灯のように次々と脳裏に映し出されていた。更には、守護神様と高級霊の霊団から 遠からず必要となりそうな対策が降りてくる...こちらは映像ではなく言葉で。ひとことの漏れもなく。
コトバに宿る言霊には、常に然るべき助言がこもっている。依頼主に伝えよ!という使命に従い、分かりやすくお伝えするが、それで終了にはしない。

全面的にご信頼とおまかせを頂けた時は、戦うのは私であり依頼主様の見守りも私!という血筋的宿命がある。信頼を裏切ることがあれば、宇宙の原則 あるいは道理に反した罪で私が潰れる。
茫然とするゴウさんに「戦うほどに強くなってますから、私! 負けいくさは無しです!」と。


基本のチャクラ7つの内、5つに奇妙な気のエネルギーが噴いていた。5(喉)~7(頭頂)が滞り頭痛を引き起こしたのだが、4(胸)~基底のチャクラに至るまでエネルギーの貧血状態といった様子が窺えた。健全なエネルギーが漏れて、あってはならないエネルギー(邪気)が破壊細胞のように入りこんでいる。頭痛に気を取られてゴウさん本人も 兆しの不調には気づけなかった。疲労感を覚えても、それこそ疲労気味だから当然だと考え、その内に治る「大した事じゃない」と捉えるほうが、およそ一般的かもしれない。体内のエネルギーが消耗すると、侵された部位のオーラは薄くなり、ほころび始めてから病的症状が表れる。

邪悪な気をキッチリ祓い終えてから、天・宙・地のエネルギーを枝葉のチャクラも含め余すところなく全身に注ぐ。レイキでは不足なため霊団の力を借りて行う。高級霊の存在についても理解していただけるよう説明をして、心強さを増して頂いた。只の一人間である私ができることなど然程のものではない。天界の加護を享け媒体となっているだけ...なぜか遣り方を知ってただけ...と答えてゴウさんには、用意したお水を飲んでいただいた。心を落ち着けるためではなく邪な気の襲撃をブロックするために。

オーラはフワフワの羽毛布団のようになりフワリと広がり、光の束を放ち始める。オーラの三層目が強靭なバリアを形成して、ゴウさんは結界を携えて歩く人(?)となる。

また、念には念を入れて、ご本人に足から頭の天辺までの全身の状態と 気力の状態をチェックして頂いた。わずかでも不調部分が残っていては、邪力のある女が送る執着心の念に対応しきれない。絶好調だよ!と覇気を宿したゴウさんにおっしゃていただき 時計を見遣ると25時をとうに越えていた。

身も心も晴れ晴れとしたところで、お祓い中に、次々と脳裏に映し出された光景と、神仏様から授かったメッセージとを、ゴウさんに分かりやすくお伝えした。これまでの経験からして懸念されていたのは、単純に一人の行いの結果ではない...リエの後方に得体の知れない集団が視えた。
薄暗い灰色のもやをくゆらせて、その集団は移動していた。不気味な空気だと言うと「もしかしたら」と前置きをしてカルチャーセンターかもしれない...詳細は聞いてないが、何かの資格を取得するとか言っていたが...思い当たるのはそこだけだと。

この時点で、消された記憶があるはずと、記憶の呼び戻しに、またも真言で応戦してみた。

クリアーになった頭と感覚への訴えかけは功を奏してゴウさんの記憶は少しずつ戻ってきたが..声のトーンは落ち、おびえているような声音で「これで分かった」と呟き、溜息をついた。
ゴウさんの深層に眠らされていたモノの正体は、ヒーリング・セミナーという大義名分を盾にした新興宗教団体だった。今風な命名でカムフラージュしているが、教祖がいて采配を揮い、リエもまた幹部の一員として東へ西へとあちこちへ出向き、講演もすればエネルギーワークもリーダー的立場で実行。レイキと称して大勢の人に施術し「瞬間的に好転反応が出るのは良い兆し」と、意味不明なことを公言して、未成仏霊が放つ邪な気を振りまいていた。


「レイキって本当にあるの?」と問われて「臼井式レイキなら悪い結果は招かないはずですが」と一応のお答えをして...(これはレイキじゃない) 見極めが難しいのが困りものだが。証拠は霊の世界では立てられない。ゴウさんは続けて「信じてなかったから生返事して..そのまま忘れてたけど、レイキを毎晩あなたに遠隔で送ってあげる」と、そんなことを言われたと吐き捨てた。

宇宙エネルギーであるレイキで体調が崩れるわけがない。リエ本人も自分が操っているのは善なるレイキと勘違いしているようだったが、実際は、低級霊の集団との接触によって得た(?)...もたらされた有害な力で、一度手を結んでしまうと簡単には放してくれない...タチの悪いもの。
解毒剤のない毒を盛られ続けてきた、と伝えるしかなかった。現在進行形であることも、また。

お祓い等している時も、リエは熱心に...さながら祈祷してるかの様子で毒エネルギーを送ってきていた。絵的に例えれば リエvs私で 互いに持つパワーの投げ合い状態。崖下に落ちるのは敵か自分かの真剣勝負を見えない世界で繰り広げていた...ということになる。双方共に汗諾々。

問題なのは、リエの背後にいる低級霊の霊団だった。ゴウさんに課せられたのは リエとの縁切り。生半可は許されず、正面きって縁を切る姿勢を示すこと。それによって低級霊との接触も、後腐れなく終焉するのだと、救済のプロセスをしるしたメッセージが降りていた。
「話すのが怖い」というゴウさんに、リエはただの人であり結界は破れません...こちらもアンテナを立ててあるので心配は無用です...逃げる方がヤバイ事態を創りますと背中を押させて頂いた。

これらがすべて済んだら 願いは叶いそうですよ ! と告げて。低級霊との接触で霊能力を得た!と勘違いする人が増えているのも事実。比較的 簡単に霊能者モドキなら誰にもできる。商談みたいなもので取引が成立すれば使用可能となり低級霊は憑依によって動きだす。
較べて高級霊は、資質を魂に問い、限りない試練を課してくる。弱音を吐いたら不合格の烙印。
次々と見舞われる試練を、後ずさりせずに立ち向かう強靭な精神力は 必須条件であり、また時間もそれなりにかかるものである。リエは眼前の小利に飛びついて、大局を無視した。

低級霊と接触すれば【心の中に寒い風が吹く】感覚を受け取るが、「リエさんの金銭への執着が凄まじかったのでしょう」と伝え、「お金はエネルギーです。善行を軽んじて為すべきことを為さずに私欲で授受すれば (=詐欺?)、神仏は遠のき、低級霊との絆だけが強くなるものです」と宇宙の原則が働いていることをお伝えした。リエが金銭的な援助を求めなくなったのもゴウさんの想定以上の収入があることを示していた。
偽レイキを毎夜送っていたのは ゴウさんの健康を気遣ったものではない。万が一の保険として、キープされていたのだと、あえて強調した。リエも本能の警鐘は聞いていたのかもしれない。

怖いという言い訳でゴウさんがリエを切るに切れなかったのは、一方的に送られた想念の力によるもの。それを自覚したら、目からうろこでストンと落ち、我に返るものである。そこからが、めざす幸せへの開運となる。家族の絆を もう一度結いなおす“再縁結び”で至福へと至る道を探るためには、鍵を握るのは奥様の胸中にあるものがなにか?...。

霊視してみると当然ながらそこは怒りの渦が巻いていた。【心の中の心】が閉ざされる手前で、「昔は良かった」と嘆きが並ならず、その未練が、離婚への決意を妨げていた。裏を返せばこれが一縷の望みと成り得た。3年間の闇に溜まったネガティブ・エネルギーの排除に集中していく。

「奥様の心にも昔日への想いがあったのが救いですが、悔しさもありますので気遣ってください」と伝え、一朝一夕で成るものでもないことを加えてお伝えした。

ゴウさんの納得をいただき、おおよその期限を設けて ネガティブ・エネルギーを葬っていく。
クリニックの中にも負の火種は撒かれていたため、これも処理しないと!...疲弊していく肉体を叱咤して気迫でこなしていく。まさに起死回生は成るか?...だったが、臆されても困るのでゴウさんには告げず八百万の神々に祈りを捧げる祈願祈祷を目眩がするまで続けた。
「身を殺して仁をなす」と言うけれどクラクラして...(トランス状態ではなかったけど...)


一夜にして遣れるだけの事は遣った! ゴウさんの体調は夜明に近づくほど充実していき 邪気との闘いにも意欲的になっていった。むしろ、自責の念が消えて闘志に火がついたようだった。
そして「もとをただせば」とリエの下心を見抜けなかったことも情けなく、おそらく自分の中の驕りが隙を作ったのだろうとも分析されていた。

あとは、ゴウさんご自身が対峙すべきことで、朝飯前(?) かもな...普通のことだけ。
リエへの決別の言葉と、奥様の凍えた心を溶かす単語と言い回しなど...まるで!結婚相談所のカウンセラーのような、喧嘩の痕を癒すコツも添えて「今日からスグに実行してください」と。

ゴウさんの波動はキャッチできていたので『 いつ如何なる時もアンテナ立て援護します!』と迷いや不安や恐怖などの負のエネルギーが拠りつかないよう 言霊の霊妙な働きをのせて。
夜の帳が下りたら忘れずして頂きたい事柄を第一優先として、今後は最低でも3ヶ月間は行うべき、“場”のセルフクリーニングの方法もお伝えして、とりあえず様子を見ることにしました。
3ヶ月は長いのか短いのか?...霊的ゴミ屋敷を片づける時間として。

≪ 君子は和して同ぜず小人は同じて和せず ≫

その後

ゴウさんの頭痛と情緒の不調は跡形もなく治まった。半月したころ“勇気を出すために!”と、電話をいただいた。頭痛も消えて 酒を飲んでもリエの顔がちらつくこともなくなったと喜んでいらしたが 「本当にリエが仕組んだことだった!」と実感と共に恐怖が募り ≪怖い女≫ だと。

「会って、最後通牒を言い渡して また呪われたら」そう思うと、虎穴にわざわざ入らなくても解決がつくのではないかと、フェードアウトを望んでいた。会わない・無視する...これがゴウさんの出した解決策だったが。それは所詮が適わぬ話である。今はバリアに守られてるが、いつ崩されるかは私にも分からない。怖い者知らずのリエなら、おそらく毎晩送りこんでいる。そして、反応がないのを怪訝に感じてるはず。さらに、自身の具合が不調になってきている原因にも気づいているはずだ。次の一手を黙々と考え、あえて連絡してこないのだろう。

放たれた邪気はゴウさんのバリアに跳ね返されて、スカッシュみたいにアチコチぶつかった後、リエに戻っている。守られてるのはゴウさんの心身だけですと伝えると「最近 携帯がおかしくなるのは、そのせい?」と。携帯は最も影響を受けやすく、通話中にたびたび切れたりメールが届かないこともフツーに起きる。

常人ならば 戻ってきた邪気の威力にうろたえるところだが、低級霊の霊団をバックにしていれば...まず敗退を認めはしないだろう。...つまり、また仕掛けてくるという方程式が成り立つ。
煮え切らないゴウさんに 例え話で「防弾ガラスも戦車の大砲で撃たれたらアウトですよね」と訴えてみた。ひとこと「尤も、これは最終兵器みたいなモノですけど」と付け加えて。

このときゴウさんは自宅での生活...本来あるべき家族の絆の再構築に、勇気を奮い立たせ(?)戻っていた。まだ一週間にも満たないが 「外で旧友と飲んでいたら帰巣本能がめざめ」酒の力を借りながら帰宅を試みた。妻は3年振りに酔って帰った夫を迎えた。笑顔や会話はまだまだでも、今は、まともな朝食が自分のために用意されてる。「幸せってのは、大げさなことじゃなくて日常の中に根を張ってる...根っこのとこは気づきにくいんだな」と。闘う意欲が萎えたのは それゆえだったのかと。大きな峠を一山越すと、たいがいの人は気が抜ける。

早々に処理しないと危険なのだが、肝心な本人に危機感が不足していた。逃げ腰になれば執拗に追ってくる...理屈抜きにそういうものなのだと納得してもらうよう努めた。
人の情としては一息つけば ≪咽喉元過ぎれば 熱さを忘れる≫ のも仕方がないが、家族との絆・再縁結びは一度だけ!二度は利かないワンチャンス。失敗したら次は困難極まりなくなる。まさしく後顧の憂いとなりはしないかと危ぶまれた。その前に、縁を絶つ意志を強硬に示すことで 心理的ダメージを与え、先方のバリアを引き裂いてる間に、攻撃に耐える磁場作りが叶うのだが、ゴウさんは歯切れ悪く躊躇していた。「もう頭痛もないし体調は本当にいいんだ」と。

エネルギーを送れるだけ送って急場凌ぎをしたが。案の定で10日もたたない内に電話が鳴った。
心身の不調ではない。リエが蒼い顔をしてクリニックへ訪ねてきたのだ!...患者として堂々と。
顔色は青ざめていたが瞳は明らかに怒りを宿していた。妻との鉢合せはまぬがれたが、看護師の口の堅さは気になる...災いしないか?と。うろたえたゴウさんはこの事故的な現実だけを訴えて 声には焦りがにじんでる。なんの連絡もなく突然やってきた...「どういう神経だ?」とまくしたてるゴウさんに、故意に衝突してきた車みたいなものです「避けきれません」と告げた。

そもそも、リエと決着をつけてから家庭に戻るという順番が、入れ替わってしまっていた。
しかもダメージを与えてバリアを破る戦略は、ゴウさんの手からスルリと滑って敵方に落ちた。
「攻撃は最大の防御とも言いますし、背水の陣ともなれば人は弱気になれませんから」と会うことを促した。明日にでも!!と。以前とは違いゴウさんには守りたい家庭がある。その自覚が薄かった昔とは雲泥の差。ましてやバリア(或いは結界) は、以前の比ではなく したたかに張ってある。本人が強気でいてくれさえすれば 負ける要素は一つもない。真実の言葉で背中を押した。
「いつ如何なる時も、決戦となれば お守り致します」と、魔法の言葉をそえて。

ゴウさんは これ以上奪われてたまるか!と炎の気で、翌日リエを誘いだし、直談判に挑んだ。
今回に限ってだが怒りの感情がサインで神仏の加護を受けると、その身体は自ずと熱くなる...曼荼羅に描かれる火炎輪の力が形成される。前夜の電話でお約束した「守ります」の実行版。
傍らに付き添うよりも遠隔で邪気打破と加護に徹するほうが、実は効く。弱気に陥らないようにと、ゴウさんの各チャクラにもエネルギー玉を送り続けることでバリアは刃金の役割を果たす。
そして、送られてきた負のエネルギーは送り主に、倍の利息つきで返還されることになる。

喫茶店でテーブルを挟み座ったリエは、クリニックへ踏みこんで来た時とは打って変わって弱々しさを演出し、ハンカチを握りしめていた。わずかの間に老けこんで、かつての妖艶さは褪せ、「私たち別れたわけじゃないわよね?」とジッと見つめられ奇異な感じを受けたと、後日の電話で聞かされた。ゴウさんは「最初から不自然で 元から縁なんてなかったんだから」と返答して、斬りこんでいく。「仕事場まで来られて不愉快なんだ」「金銭的にも限界だ。誤解や錯覚は誰しもあるが、愛がないのはキミも同じだろう?親なら軌道修正しないと子供が可哀相だからな」。
リエは涙を浮かべてつぶやいた...「別れたら生活できないわ」。

たじろぎはしたが後退は、ゴウさんもできない。「自立するまでの援助だと奉仕的精神で尽くしたつもりだが。キミもそう約束したはずだ。迷惑をかけてくる女は厄介なだけなんだ」と、ここまで言い放った。さらに、追い討ちをかけて 「化粧が崩れてるよ。ハンカチ使わないの?」。
上目遣いにリエに睨まれ慌てたゴウさんは「30分で済むと思ってたのに夕食時だ、ワイフに連絡しなきゃ」と携帯を取り出すと、圏外になっていた。逃げたい気持ちをこらえて「とにかく...とにかく僕はキミと知り合う前に戻りたいんだ。いったい何が目的なんだ?」首を絞めたくなったのが声音に表れ、ドスの利いた声で意思表示はぬかりなくしたと。

リエとしては、なすすべもなし!というところだが、数回の関係を盾にして同情を買う(売る?)台詞を被せてきた。「うまくいったら恩返ししようと思ってカルチャーセンターにも通い勉強も訓練もしたのよ。あなたの体を思ってレイキも毎晩欠かさず送ったわ、どんなに疲れていても」...立板に水で喋りだした。それを押し返したのが「ダカラそれが迷惑だったんだ。それで気づいたんだ。頭痛持ちみたいに俺を傷つけて楽しかったか?幽霊をかき集めてなにやってんだ」。勢いがついたゴウさんは一挙に攻撃へと出た。
リエは驚いた顔をして「頭痛って?あなたも?」と意外なことを口走った。

知人に誘われ興味半分で行ったところが、カルチャーセンターの偽看板でレイキの伝授を謳う、怪しげな学校。そこで遣り方さえ覚えれば月収ウン百万も夢じゃない!と力説され、福沢諭吉様を崇拝してポンッとハンコ捺すように正体不明な団体の一員となった。宗教も信仰もどうでもいいリエにとっては、諭吉様を拝めるなら それで充分...恐れるものはないと即座に入信した。
会社へ入社するのと同じ感覚で、稼ぐためにその団体に入っただけ。新興宗教団体だったと知っても畏れなし。小手先の技術を習得したら賭博場を臭わせるセミナーでエネルギーワークが適い見返りの報酬は予想以上に懐をあたたかくした。

トップの呼称が「社長」でも「教祖様」でも この際はこだわらない。 憑り依かれたように仕事をこなし、未成仏霊を神様と崇めて「お傍にいてください」と手を合わせ、地方のイベントにも精力的に出かけ、稼ぎ頭となっていく。立派な肩書ももらって有頂天になっていたリエだが、肉体はこのとき既に不調をきたし始めていた。それでも単なる疲労と決めつけ、続行した結果、不具合の範囲は麻痺したように広がっていった。次第に、奇妙な逆エネルギーワークの施術も壇上での講師も、気が乗らなくなった。死力を尽くしてまで稼ごうとはならなかったが、念のため、ゴウさんのほうはどうか?...と習った通りに毎晩 遠隔で試していた。
そして、なんの連絡もないなら気のせいかも...疲れただけなら休養して再起できる!と実験台にして、尚かつ、引き寄せの術まで同時進行で操っていた。

リエにとっては、幽霊も神も分け隔てなく光の存在の変容という危険な捉え方をしていた。

身体的苦痛が癒えぬうちに、帯状疱疹にも罹り痛くて眠れない、頬にはチックが走り...と患うなか夢遊病のようにクリニックへ行ってしまった...と、聞けば聞くほどゴウさんの心は不気味さで固まり同情どころではない。「もう辞めたから収入源がなくなって」と援助の再開を求めてきたところを自業自得だと、バッサリ斬り捨てた。「関わらないでくれ!」の念押しも忘れずに、「俺を呪いの対象にする女なんか!まっぴらご免だ」と叩きつけて了承など不要だと喫茶店を後にした。
リエを独り残して足早に帰宅したのはゴウさんも恐怖の伝染に遭っていた証し。目の前にいるのは、可哀相な女を演じる憑依された人間で、呪詛がけをした張本人なのだ。

翌日には電話をいただき詳細を伺ってゴウさんに尋ねてみた。「体調は、いかがですか?」と。
喫茶店にいた1時間強と自宅に帰ってからの深夜帯~今に至るまでの2日間がいわば峠で、病気の人ならICUといったところ。「体調も気分も問題なく好調だよ」と声に笑みが交じっていた。

種明かしをすると、顔を合わせ決別宣言をすることで道が拓けて「神仏のパワーがゴウさんを加護した訳です ≪神様プログラミング!≫ が起動して」...サラッと伝えた。100%他力本願は届きませんからと。一計をめぐらせ難関は切り抜けた。今後の課題は、傷ついた家庭の修復とクリニックを昔のように信頼で埋める作業のこの2つ。さほどの期間は要しないはず。元凶に杭を打ったのだから、このまま放置しても(時間はかかるが)修復は叶うとお伝えした。ゴウさんの答えは、タイム・イズ・マネーだからとキッパリ。

妻の心を霊視すると ≪陽の気≫ が戻り始めていた。陰陽のバランスが整いはじめ、兆しは良好といえる。ネガティブな感情を自らの意思で払いのけている...柔軟な強さをもつ女性がゴウさんの奥様だった。ご夫婦の楽しかった思い出を、ゴウさんを媒体にして 引っ張りだしてはエネルギー化して送りこむ。春の陽だまりのようなぬくもりを妻側には抱いてもらう。深層心理には、それを望む声が胎児のように眠っていた。悲哀は過去の世界に捨てて 優しく輝く未来の時間へ一歩を踏み出しましょう!と光のエネルギーを投じ集中して訴えかけていく。祈りの想念が働いて右回りに回転しはじめると、人は超ポジティブにもなれる。悟りを得た超人の如し。

様子を見ながら数日置きに繰り返し行ううちに、夫婦の間には新たな絆が生まれ、磁石が働いて家族の団欒も帰ってきた。結局のところ、妻が家族の支柱的な存在だった。それは家族間だけではなく、クリニックに措いても、同様のことが明かされていく。それなりの時間は掛かったが、50歩も100歩も譲った妻が受付業務に就くようになると...院長夫人の復帰を知った近所の奥方たちが 「高血圧が心配で」「風邪っぽくて」「うちの爺様が励ましたいと言いだし点滴にきた」と、手作り菓子持参で訪れるようになる。

待合室まで隅々を、妻は無意識で浄化しはじめ波動を上げていた。生来の能力のなかには求心力もあり、それらをフルに発揮して。そのため妻の評判=クリニックの評価と、辻褄が合うような結果となり、徐々に賑わいと精彩を肌で感じ取れるようになっていった。下降線をたどっていたクリニックに息吹をいれたのも妻であり、二人三脚で夫婦は鮮やかな再スタートをきった。

一方、リエのほうは体調を崩して設備の整った大学病院にいると旧友が報せを持ってきた。難病の疑いがあり転院を繰り返していると聞いたゴウさんは「そんなに邪気を送ってたのか。あきれたもんだ」と顔をしかめた。【邪気は還る】ものだと旧友に説き 「あの女の話はもう...名前を聞くだけでゾッとするんだ」と言って話の続きを遮った。

月日は相応にかかったが、すべてが納まるべきところに納まり オマケに「幸せってなに?」の問いにも答えを見い出した。「いま僕は世界一幸せだ!」と言いきれると、ゴウさんは語った。
以後は、ささいな問題や選択でも ことある毎にお電話を頂いている。(霊専門便利屋みたい)。
タイム・イズ・マネーは気づけばゴウさんの口癖となって、不安材料や面倒なことはサッサと片づけたいからだとおっしゃって。毎回聞くゴウさんとの合言葉=時は金なり!!で、今も別件のご依頼を頂戴しており、ご信頼がありがたく遣らせて頂いております。

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